マレーシアで「光の祭典」と呼ばれるディパバリ(Diwaliとも呼ばれます)。
ヒンドゥー教徒にとって最も大切なお祭りのひとつで、今年は10月20日です。
ディパバリで欠かせない風物詩といえば「ランゴリ(Rangoli)」です。
ランゴリとは、インドの家庭の玄関や庭先に描かれるカラフルな模様で、神様を家に迎えるためのおもてなしとして代々受け継がれてきました。
今の時期、マレーシアのショッピングモールでは、大きくてカラフルなランゴリが見られます。
ランゴリの始まり
ランゴリの起源はとても古く、ヒンドゥー教の神話にまでさかのぼります。
一説には、神様を家に招き入れるときに悪いものを寄せつけず、幸福を呼び込む「お守り」の役割を持っていたとされています。
また、鮮やかな模様を描くことで周囲を明るくし、人々の心を喜ばせるという意味も込められてきました。
ランゴリはインドの家庭では、主に家の玄関に作られます。
それは、家に入ってくる神様が最初に目にする場所だからです。
きれいに整えられた模様は「歓迎のサイン」であり、幸福や繁栄が訪れるよう願いを込めています。
では、玄関のランゴリ、人が踏んでしまってもよいのでしょうか?
実はランゴリは「踏まれること」を前提としたアートなんです。
玄関から出入りする際にどうしても模様の一部が壊れてしまいますが、それも自然なことと受け止められています。
むしろ、「日々新しいものを描き直し、そこに祈りを込める」ことが大切にされているのです。
そのため、信仰深い家庭では、毎日新しいランゴリを描くんですよ。
もちろん、ショッピングモールのランゴリは鑑賞用のアート。踏むのは厳禁です!!!
米粉を使う理由
ランゴリを描く材料には、色粉や花びら、砂などさまざまなものがありますが、伝統的には米粉がよく使われます。
米粉は自然に還る素材であり、鳥や小さな虫たちの食べ物にもなります。
つまり、ランゴリは人間だけでなく、自然界への「分け与え」の意味も持っているのです。
デザインと意味
ランゴリの模様には、幾何学模様や花、孔雀などさまざまなモチーフが使われます。
円は「調和」、花は「繁栄」、孔雀は「幸運」といったように、それぞれに意味が込められています。
最近ではカラーパウダーを使った鮮やかなデザインが増えていて、アート作品としても素晴らしいものが多いです。
マレーシアでランゴリが見られる場所
ディパバリの時期になると、マレーシアのあちこちでランゴリを目にすることができます。
JMスタッフが毎年素敵だなと思うのは、ブキビンタンのパビリオンとミッドバレーのガーデンズモールです。
NUセントラルやBSCも素敵ですよ。
ぜひ観に行ってみてください。
ランゴリはどうやって作るの?
「どうやってあの複雑な模様を作っているの?」と気になる方も多いはず。
実は、作り方はとてもシンプルですが、かなり集中力が必要です。
・下書きを描く
地面にチョークや白い粉で模様のガイドラインを描きます。
・色粉をのせる
赤・青・黄・緑などのカラフルな粉を、手や小さなスプーンで少しずつ置いていきます。
・細かい部分を調整
指先を使って線を整えたり、境目をきれいにしたりします。
今の時期だと、ショッピングモールで職人さんが作っている様子が見られるかも!?
ランゴリは家庭でできる!
ショッピングモールにあるようなものは無理ですが、小さいものならご家庭でもできます。
上記のやり方通りやってみるだけです。
色がついた粉は、ブリックフィールズの雑貨屋さんならどこでも売ってますが、わざわざ買わなくても、米粉だけでもオッケー(本来のやり方ですね)。
我が家も毎年、コンドミニアムの一角に作っています。
子どもたちも思い思いの柄でできるので、楽しいですよ。
まとめ
マレーシアのディパバリは、インド系コミュニティの文化や伝統を肌で感じられる特別なイベント。
せっかくMM2Hでマレーシアにいるのなら、ランゴリを見て回るだけでなく、実際に作ってみてもいいですね。
大人でも楽しいランゴリ作り、きっと良い思い出になると思います!